寝正月

あけましておめでとうございます。
この日記を読んでいるみなさま(全国で推定5名)、今年もよろしくお願いいたします。
あたしは大掃除もせずに年が明け、ぐったりと寝正月を送っておりまし。

せっかくだから推理小説の古典「黄色い部屋の謎」(ガストン・ルルー創元推理文庫)を朝から読んでおりました。ありえない状況での完全密室犯罪を、機械的なトリックや超自然、超心理(催眠術含む)に頼らず構築しているのは、さすがに本格推理の教科書扱いされている作品だと思います。
密室の作り上げられた状況(または犯行方法)は必ず論理的に解明されるものでなければならないというのは本格推理の鉄則であると考えます。

本作を読後すぐに思い出したのは故都筑道夫氏の作品です。思わず読者が「それって無理!!」と叫んでしまうような不可能犯罪を「論理のアクロバット」(都筑氏の造語)を駆使して、読者に最も意外な形で、鮮やかに突きつける氏の作品が、いかに本格推理の鉄則を守って作られていたかということを認識いたしました。本格的なパズラーはこうでなくてはいけません。

そうか、だからあたしは人気作家M.Mの推理小説と銘打たれた作品は好きじゃないのか。

黄色い部屋の謎 (創元推理文庫 108-1)

黄色い部屋の謎 (創元推理文庫 108-1)