節分の夜

年間通しての行事の中で節分が一番嫌いです。
なぜかというと晩御飯が巻き寿司1本だけになるからです。おかずはありません。

日本の行事ではあるし、毎日一所懸命家族のためにごはんを作ってくれている母親に休んでもらえる日であるのは理解しているのです。ええ、すいません、おかずが欲しかったら、もっと甲斐性をつけてから言いなさいと言われるのはわかっているのです。

でも仕事終わって夜中に帰ってきて、お膳の上に巻き寿司が包装紙も解かれずに1本置いてあるだけというのは、なんだか寂しい気がするのです。

今年も夜中に家に帰ると、やはり巻き厨子がお膳の上に置いてあったのですが、あとはお箸と湯飲みしか置いてない例年の光景とは少し違っていました。
巻き寿司の横に四角いタッパーが置いてあるではありませんか。鰯だろうか、それとも他の何かだろうか?

とりあえず包装紙を解き、今年の恵方、西南西に向って座って巻き寿司にかぶりつきました。
半分ぐらい食べてから、ちょっとわくわくしながらタッパーのふたを開けました。

そこには切った巻き寿司が1本分入っておりました。