おっとっと

まさかうちのサイト、YAHOOからキーワード「エネマ」で検索してたどり着く方がいらっしゃるとは思いませんでした。こんなサイトですいません。


あれはまだ『プレイガイドジャーナル』から誌名を変え、大判になって悪評頻々だった『ぷがじゃ』が書店に並んでいた頃だった。その『ぷがじゃ』に「かねてつ」のてっちゃんとガラの悪いその親父を主人公にした、絵はへったくそだが面白い9コママンガが掲載されていた。『啓蒙かまぼこ新聞』。
まさかホントに「かねてつ」の広告だとは思っていなかった。

そのうち読売テレビ竹中直人シティボーイズひさうちみちおといった、当時の通好みの出演者を揃えた番組が始まった。『どんぶり5656』。
構成だけではなくMCを勤め、コントも演じていたのが『啓蒙かまぼこ新聞』の作者、中島らもであった。「勝ち抜き不幸合戦」と言うコーナーが何とも言えず寒い雰囲気で面白かった。くだらなすぎて笑ってしまった。

そうこうしているうち中島らもの小説やエッセイが出版されだし、僕は手当たり次第に読むことになる。

31歳の時、中島らものようなコピーライターになりたいと思い、勤めていた家電量販店を辞め、知り合いの経営する広告制作会社にもぐりこんだ。入社後すぐ、あの人のやっていたことは広告業界ではやっていはいけないことばかりだと気づいた。その会社は2年で辞めた。

人間いつどんな死に方をするもんじゃわかったもんじゃないけど、今回の中島らも氏の死に方はなんとなく納得できるような気がする。つんのめって「おっとっと」と言う感じなんじゃなかったろうか。願わくば苦しまずに逝ってくれていればと思う。

ご冥福をお祈り申し上げます。また世の中が面白くなくなった。


「こみ上げる苦い想いを唾に吐く
街の灯映る暗き水面に」


後記>『ぷがじゃ』に連載されてたのは『微笑家族』でした。すんません。